いちいがしの会とは

和深川王子神社のイチイガシ
和深川王子神社のイチイガシ

そもそもの始まりは、有志約10人が始めた自然観察の集まりでした。熊野の山に残された自然林や神社の森などが観察の対象で、リーダーは元高校の生物教諭だった後藤伸です。目についたのは、山々を圧倒するスギ、ヒノキの人工林です。若いころから熊野の山で自然観察を続けてきた後藤は、かつての自然の照葉樹林をよく知っており、昔のような森を取り戻したいと話しあって、1997年に後藤を初代会長としていちいがしの会が発足しました。

会の名称は、ブナ科コナラ属のイチイガシに由来します。イチイガシは樹高 30mに達するカシ類の高木で、かつては熊野の山にたくさん自生していたようですが、材が堅くて丈夫なため多くが伐採され、今では神社の境内に残された木以外には見かけることはまれになりました。そこで、熊野の森の象徴としてこの名を選びました。