苗づくりと植樹が活動の中心です。また、照葉樹の森を見たり触れたりする観察会、森林が持つ多くの働き(機能)やそこに棲む生物などについて学ぶための講座(学習会)を開催しています。更に、荒廃した人工林を健全にするための間伐として巻枯らしを行っています(資料―年間計画)。
1 苗づくりと植樹
苗づくりは11月ごろにドングリを拾い、土を入れた牛乳パック(水抜きに底の隅2カ所を少し切る)に数個を埋めて発芽させます。そして発芽から2年ほどたった苗木を冬から春に植えます。あわせて、石が多いなど植樹が難しいところではドングリを直埋めする方法も行っています。獣害対策として、幼木の一本ずつをポリプロピレン製の筒(ツリーシェルター)をかぶせて保護する方法を主にしています。樹が成長するとカバーを取り外す作業が必要です。今後、さらに有効な獣害対策が待たれます。
1999年6月から9か所7.1haの植樹を行なってきました(2024年3月現在)。この内、初期に植樹した上富田町岩田では何回も獣害を受けましたが、獣害対策を行った結果、今では幹回り120㎝のイチイガシをはじめ実(ドングリ)を付けたシリブカガシも見られるようになりました。
2 観察会
熊野を中心に樹木などの植生、野鳥、昆虫などの観察会を原則として年2回開催しています。テーマによっては専門家から解説を受けることもあります。自家用車に乗り合わせていくのが通常ですが、遠方の場合はバス旅行になります。会員以外の参加者も歓迎しています。(これまでの観察会)。
3 講座
動植物や森林、それを取り巻く自然の現状、環境問題など広範囲の課題について知識を深めるため、さまざまな分野の専門家を招いて、原則年に2回開催しています。会員以外の参加者も歓迎しています。(これまでの講座)
4 巻枯らし
立木の樹皮の全周を数十センチ幅でぐるりと剥ぎ、数年間をかけて木を枯らせる方法です。6月ごろが作業の適期です。ノコギリ、鉈(なた)、竹のヘラなどの簡易な道具で取り組めるので、老若男女を問わず可能な作業です。また、葉、枝、幹が時間をかけてゆっくりと枯れてゆき、それに応じて入り込む日差しがゆるやかに増え、山の急激な乾燥が防げるので、土壌生物等を守ることができ、環境に優しい方法です。ただ立ち枯れした木が徐々に腐り、上方から折れていきます。倒れやすくなって危険という問題があるため長期間にわたり安全面の配慮が欠かせません。
5 会保有林の維持、管理
当会は、現在約3ヘクタールの山を所有しています。会のNPO法人化(2023年10月)によって、有志3人から寄贈を受けたものです。この山は長年人手が入っておらず、ウバメガシ等の樹々が育っています。このまま人手を加えず、今の環境を維持し続ければ、本来の自然な森に戻る可能性は極めて高いと思われます。
今後、会に寄贈される山があれば、自然林に戻すために必要な作業や維持、管理を進めていきます。
6 森に戻す山の確保
会員から提供を受けた山や会の考えに賛同していただける方の依頼により、植樹や巻き枯らしをする山の確保に取り組んでいます。